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執筆者の写真atelier-yazd

⚫︎ 9月に入りました

もう既に9月が一週間経ってしまっております。

毎度言うてますが、時間の早さ、怖いですね。


8月もいつも通りにあっという間に過ぎ去ったのですが。

本当に有難い事に、お盆にこちらの工房までお越し下さるお客様が何組かいらっしゃいまして、鞄をご購入頂いたり、ご希望の鞄のご相談をさせて頂いたりして過ごしておりました。

とても久しぶりに父方の親戚ご家族にお会い出来た事、ご近所さんのボタンズファクトリーの清美さんと共通の知り合いでいらしゃる、大阪の鞄職人さんご姉妹がお越し下さったのも本当に嬉しい出来事でした。


そんなお盆を過ぎたあたりで、やや体調を崩しまして。

体調を戻してからオーダー製作、諸々の製作に掛かりたかったので、今月頭までぐいーっと仕事が押してきていた感じです。

という事でブログ更新がやや遅れてしまいました。


気を取り直して、本日仕上がりました、今月の「洗える鞄」のご紹介です。

今月は、白い鞄2点、へリンボーン織麻生地1点の3点を製作しました。

今回の新しい顔は、白い鞄たちです。

白といっても真っ白では無くて、いわゆる生成りの白。

染色を施していない綿素材の生地たちです。



本日仕上がった洗える鞄3点です。



一点目の素材は、相撲の綿のまわしの生機生地です。

古いものですが、勿論、新品です。

こちらの生地、骨董素材の生地やのぼり旗などを格好良い洋服に仕立てていらしゃる愛知の作家さんに頂いた生地でして、ずーっと鞄にしたくて寝かせていた素材です。

昔ながらの織機で高密度に織られた、しっかりと厚みが有る綾織りの固い生地で、そこにバキバキに糊がきいておりました。

これをお股に巻かねばならぬとは!と、お相撲さんの別の意味でのタフさに驚くばかりでしたが、ひとまず糊を取る為、一晩水に浸けて洗いに掛けて干しました。

これが本当に柔らかで良い風合いになりまして。生地のしっかり感もばっちり有る。

この生地、醤油作りで、もろみを漉す時に使う袋生地とほぼ同じ厚みと密度と質感なんですね。

織幅は違いますが、どちらとも古い織機で織られている綾織り生地でして、極厚生地好き人間にはたまらん生地です。

鞄に仕立てたら、これがもう本当に良い鞄になりました。

こちらのまわし生地バージョンの鞄は、現物の1点です。

残り生地で可能な製作は1点のみです。


★ まわし生地バージョンの現物は売り切れです ありがとうございます!


まわし生地を頂いたハヤシカオリさんのインスタサイトです→




まわし生地の洗える鞄。

まわし生地の近影。高密度の綾織り生地です。




もう一点は、ずいぶんと前に生地屋さんにて購入した生地です。

メンズ鞄メーカーさんの要望で作っている生地との事で、とにかく極厚で丈夫なんです。

帆布と同じく平織りの生地なんですが、通常の帆布とは明らかに違っている。

20番手の糸を10本に撚って一本の糸に仕上げてから平織りで打ち込んで有るんです。

これだけ聞くと相当にいかつい生地だと思われそうですが、質感が実にソフトなんです。

生地をパラフィン加工(蝋引き)した上に、バイオ加工を施しているので、肌あたりが実に優しいんです。

鞄に仕立てたら、やっぱり良い感じに仕上がりました。

こちらは、そのままの生地感をしばらくは味わって欲しいところも有り、あえて洗いをかけていないのですが、洗いに掛けても縮む事はありません。

以前、同素材の鞄を洗いに掛けた事がありますので証明済みです。

生地表面にしわ感が欲しいなあと思われる場合には、水洗いのみで洗いにかけてみてください。もっとラフな表情を楽しんで頂けるかと思います。

この生地、実は昔の消防ホースの為の生地(今は化繊素材)だそうで、丈夫さに納得です。

こちらの極厚平織り生地は、現物1点です。

手持ち生地在庫で可能な製作は1点です。



極厚の平織り生地の洗える鞄。「ドゥマンフレーバー」という名前の生地です。

ドゥマンフレーバーの近影です。細糸を10本に撚って織り込んだ極厚平織り生地。



白い鞄、ふたつとも本当にいい顔で仕上がっております。

白い生地はとても魅力的なのですが、汚れだけでなく、経年で黄ばみが出てしまう事もあるのが、白い生地素材の困ったところでもあります。なので革パーツが付いた洗えない場合の鞄には使用がためらわれて、素材を寝かす事になりがちなんです。


ですが、今回の鞄は洗う事が出来るので、ある程度の汚れや黄ばみは落とす事が出来ます。

手荒に扱ってもびくともしない素材ですので、遠慮なくガシガシと洗って頂きたいです。

どうにも出来ない位に汚れた場合には染めるという手も有ります。

その際、内装も上手く染まる様に、こちらの白生地の内装はリネン帆布にしております。

只、ミシン糸がポリエステル製スパン糸なので、ステッチ箇所だけ染まらないのが難点ではありますが、ステッチだけ浮き上がるのもまたデザインになるやもしれません。



最後の3点目は、先月もご紹介したへリンボーン織麻生地の洗える鞄です。

ハンドル素材は、フランス軍のデッドストック麻テープになります。

表面の表情は前回と全く同じですが、鞄の内装の色が、今回はシックな黒色です。

私自身が赤色が好き過ぎて、つい赤い内装にしてしまうのですが、赤が苦手な方もいらっしゃる様でして、今回はあえての黒い内装です。

この内装生地が綿とナイロンの混紡生地ですので、シャリ感が強く出ている生地なので、先月の鞄よりも底部分がパリッとした質感になっているかと思います。

こちらは、安定感の有る格好良さです。

こちらの麻生地は、手持ち在庫が無くなりましたので、今回の現物1点のみです。


前月と同じくの麻ヘリンボーン生地とフランス軍麻テープハンドルの洗える鞄。

麻ヘリンボーン生地の近影です。

底まち幅。全ての鞄ともに約22㌢あります。たっぷり入ります。

白生地2点の内装は麻帆布です。こちらは前胴の大きなポケット内の貼りポケット。

白生地2点の内装です。内側の大ポケットと底まちあて生地は麻帆布です。

今回の麻ヘリンボーン生地の内装生地は、綿とナイロン混紡の平織り生地。色は黒です。

麻ヘリンボーンタイプの内装。内側の大ポケット、底あて生地は綿とナイロン混紡の平織り生地の黒です。

ひっくり返す前の状態。

口元は杉綾織の綿テープに赤いミシンステッチを入れていますので、白い鞄の内側のアクセントになっています。

サイドのハンドル箇所は15㍉以上の厚みになる為、手縫いしております。

革のみ15㍉厚は平気で縫えるのですが、生地の重なりを縫う事はミシンは余り得意ではありません。特にここはもの凄い生地の層ですので、針が折れてミシン釜を傷めてしまいます。

大きさ感、分かって頂けると幸いです。毎度、適当な写真ですみません。

洗いを掛ける前の生機のまわし生地。むっちゃ固いです。

下側が洗いを掛けたまわし生地。かなり縮みました。


・「洗える鞄」各種   価格 ¥35,000(税込)


・重さ 約850g


・取り外し可能の革パーツ  全てクードゥー革



ご質問やお取り置き希望等のご連絡は、下記まで宜しくお願い致します。

直ぐに返信が出来ない場合も有りますが、必ずお返事致しますのでお待ち下さいませ。





さて、ここからは余談です。

朝晩がひんやりとしてきたとは言え、昼間は30度越えの毎日ですが、皆さま如何お過ごしでしょうか。

8月の暑さに耐えられず、近所の床屋さんにて髪の毛をバリカンで刈り込んで貰いました。今はハリネズミみたいになっていて鏡を覗くたびに笑ってしまいます。


土曜の丑の日が終わってからしばらくは午前中の草刈り作業もやってたのですが、今年は知らない内にアブやら蜂に背中を刺される事が多くて、痒さと痛さで途中で気力が尽きてしまいました。どうも虫に絡まれる事が多い人間なので仕方なしと思ってもいたんですが。

デューク東郷ばりに、俺の後ろに立つなと言いたいところでしたが、8月の暑さにも負けました。


そんな中、もうひとつ、庭での懸念事項が出てきまして。

最近、キツネの庭での所業にむかっ腹が立っております。


ここ何か月か、庭の所々で小動物の遺体にあう事が多くて、その都度しかるべき場所に穴を掘って埋めてたんですが、どうもそれがキツネの仕業だと最近やっと気付きまして。

先日の早朝、二階の部屋から庭を眺めているとトンネルの前でキツネが狩りのポーズで獲物を仕留めてた訳です。ご機嫌な様子で山の上に上がって行ったので、蛙でも捕ったのかねえと思いつつ、後で庭に出て見回っているとトンネル入り口にモグラの遺体を発見したんです。

「食うてないんかい!」と思わずつぶやきました。

どうやら狩りをして直ぐには食べずに、一旦、その場に放置するようなのです。

うちのキツネだけの習性なのかどうか分かりませんが。

荒れているとは言え、仮にもうちの庭ですから!と怒り心頭です。


その日は、気の毒なもぐたんを埋めてあげたんですが、次の日は、なんと若い錦鯉二匹をしとめておったのです。

調子に乗っていやがると怒りを抑えつつ、鯉ちゃんを埋めた土の上に唐辛子水をしっかり浸み込ませておきました。

するとあろうことか、うん〇をその場に置いていくんです。


恐らくは、食べることが出来なかった事のはらいせと思われます。

ご存じの様に、狐にはエキノコックスという虫がいる事も知っておりますので、こちらもまたしかるべき場所に穴を掘って処理しております。

狐とのしょぼい攻防戦はいつまで続くのか。

ご近所さんから、キツネ最強説を聞いてはいたんですが、思っていた最強説とはどうも違うなあと思う日々です。


ついこの間は、大きな若い白鷺に庭への駐車を阻まれまして。

轢いてしまうで!という距離感でもちっとも動かない。

移住して二年半、アウェイ感はまだまだ続いております。

まあ荒れた庭を放置しているせいも有るかと思いますんで、来週から早朝の草刈りをスタートしていきたいと思っております。


全く話は変わりますが、体調が戻って直ぐにオーダー鞄を仕上げていたんですが、こちらの仕上がりがとても良いのです。写真を載せたいところなのですが、まだお客様へのお引渡しが済んでおりませんので、次回に載せたいと思っております。

今年はイベント出張一切を止めておりますが、鞄を作る事自体は、やっぱり本当に好きなんだなあと自分の心持を確認した時間でした。

動物とのこぜり合いをぶつくさ言ってもおりますが、日々、色んな事に感謝しつつ、ありがたい毎日を過ごしております。

夏の疲れがどっと出て来る時期ですので、皆さまもどうぞ気をつけてお過ごし下さい。




鹿革ブレス、ようやく出来上がりました。

裏表どっちでも使えます。

庭が大荒れです。来週から早朝草刈りに入ります。

不細工ですが、菌ちゃん農法で人参が育ちました。つるくびかぼちゃも。

鞄作家purrさんが譲って下さった軍もの照明。

レトロなうちの家にはまりました♪ありがとうございます♪


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